期待を裏切らなかったアリウス編1章感想

【ネタバレ注意】ブルーアーカイブのメインストーリーVol.6「過ぎ去りし刻のオラトリオ編」1章等の内容を含みます。

アリウス編もとい「過ぎ去りし刻のオラトリオ編」1章「見えない私たちの境界線」が公開されました!

表題からして既に私好みです。境界線という単語に私は弱い。

というわけで今回は「一般生徒の描写」「謝罪」「スクワッド」「スバル」これら4点を中心にここ好きポイント語っていきます。

アリウス一般生徒

今回一番楽しみにしていた点、それは「スクワッドが去った後のアリウス」はどうなっているのか。

それが本ストーリーでは一般生徒の発言などを通じて丁寧に描かれているように感じられて、いいなって思いました。

転入生の二人

トリニティで急に呼び止められたと思ったら部屋に連れ込まれてアリウス生だと明かされたあの二人です。ガスマスク無しのお顔可愛い。

二人はティーパーティー密偵の提案に「不安だったけど、今よりはマシになるかも」と転校を決意したと語ります。

「ベッドって、本当に素晴らしいですね。えへへ……」の言葉に

あ、良かったこの子も新しい環境で幸福に暮らしていけそうなんだな、と思いました。

ですが先生が頭を撫でようと近づいて手をかざすと、

「ひっ――!」

と怯えて後ずさり。「大人が手を挙げて近づく」に対する認識が一瞬で伝わって良かったです。いや良くはないんですけど!

またアリウスの授業について「ヘイローを効率よく壊すには、とかそんなのばっかりで」とさも当然のように語る所からも常識や前提の違いが読み取れて良き。

でもそんな子達がトリニティの子とカフェに行ったり、そのお金のためにアルバイトしたりして、

給料日前になると、お財布が軽く感じたりするんですが……
それが、逆にちゃんと自分でお金を稼いでいる実感があったりもして……。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章3話「夢のような日々」 より

と言っているのがまた良くて。

誰かのために利用されて生きるんじゃなくて、自分のために今を生きられているのがとても嬉しく感じました。

生徒の本分

そして話はちょっとずれるのですが、この二人が「生徒の本分、というか」と言っていたのが印象的。

だってこんな台詞大人しか言わないと思いませんか?

普通の学生だったら「毎日変わらねー、つまんねー」「勉強だるーい、遊びたーい」こんな感じじゃないでしょうか。私はそうでした。「こうするのが学生の本分!」なんて学生時代言ったことも考えたこともありません。

繰り返されるそんな日々はただの日常で、あって当然のものだからです。

それ故に大人はもう手に入らない学生時代の日々を思い返して言うんだと思うんです。「それが生徒の本分だ」って。

でもこの二人は子供なのに言えちゃうんです。

だって大人と同じで今の日々は「決して手に入らないもの」で、あることが当たり前の日常ではなかったから。

だからマダムの狂った教育じゃなくて正しい教育を受けている今こそがあるべき姿と感じられて、「生徒の本分」って言えるのかなって。

こういう所からも今の生活のありがたさが感じられて、この二人の描写全般的に好きでした。

スクワッドの皆さんのことも

そして最後に二人は

スクワッドの皆さんのことも……お願い、出来ますか?

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章3話「夢のような日々」 より

と先生にお願いします。ここうまいなー!って感心しちゃいました。

というのも私は夏アリウスイベを見てもう「良かったねぇ……!!」と思えてしまっていたから。

その夏を知らないアリウスの子達にスクワッドはどう映ってるんだろう?これ以上どう救うんだろう?とワクワクさせられましたね。場面の引き方がお上手!

郊外学習の様子

ちょっと話は公開部分の終盤に飛んでしまいますが、このシーンも好きでした。

突然ですが私はいい話や行動があって、全員それに万歳三唱してHappy!こういうお話がどうにも苦手です。

画一的と言うんでしょうか。同様に全員が一様に反発して、というのも苦手。

多分私はそれらを記号や数式のように無機質なものに感じてしまうからだと思います。

だから今回レイサやスズミと仲良く出来ている子がいる一方で

「ああいう話を聞いていると……無性に腹が立って」

と言える子がいて、悲しい事だけど嬉しかった。

ああ、この子は記号じゃなくて息をしているんだって思えたから。

狂っていたとしても指導者を失い先が見えない不安からトリニティに移ったり、授業を受け入れる子がいるのも分かります。

一方で、何年も続いた狂った教えが抜けなかったり、そもそも感情がついてこなくて受け入れられない子がいるのも分かります。

だって自分たちの苦しい状況に対する憎しみの向き先、トリニティしかないんですもん。今の子が原因を作ったわけじゃないと分かっていても。感情は理屈じゃないですからね。

だからモブちゃんたちの様子が全員右に倣えじゃないの、すごく良かったなって思うんです。

マダムの「私は、ただソレを活用しただけ」みたいな台詞がここにばっちり刺さってる感じがします。

「謝罪」

今回私が一番物語に引きずりこまれたシーンについて語らせてください。

表題の意味

まず表題である「謝罪」からしてなんですが、

私は最初話し合って互いのわだかまりが少し解消された後に「アリウスがナギサに」だと思ってました。

調印式での爆撃や、命を狙った事とかについてかと。

それがまさか「ナギサからアリウスに」とは思いもしませんでした。

最終的には双方の、という意味になるわけですが。いやー百花繚乱でもそうでしたがこちらの予想の裏切り方がうまい。

というか短い言葉に複数の意味を持たせて操るのが上手すぎる。

水着ミカの「いつかの私へ」やピックアップタイトルもそうですが、切れ味の鋭さに毎回舌を巻かされます。

ナギちゃんが凄い(語彙)

水着イベントでエデン条約編も読み直してから個人的に株が爆上がりし続けているナギちゃん。

昨今の株相場か?ってくらい今回のシナリオでもストップ高。というか「謝罪」でのナギちゃんあまりに善の者

まず自分の命を狙ったアリウスとの初直接対面。

物怖じしないどころかちょっと皮肉入ってそうな言葉さえ投げかけ、ミサキが不快感をあらわにしても「少し場を移しましょうか」と涼しい顔で対応。

交渉、話し合い、化かし合いに対する場慣れ感が半端じゃない……!

それに負けずに「先生まであたふたしてるのを見たら、本当に想定外のことなんだなって思えたんだ」「なら流れに身を任せるのが一番でしょ?」みたいに言えるアツコにも胆力つっよ!となりました。

船内に場面は移って食事のシーン。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

先生やアリウス他メンバーが成れない料理に苦戦してる中「んふ~~!」とご満悦なヒヨリ本当に好き。

その様子を見て「ええ、沢山召し上がって下さいね。私も嬉しいです」と告げるナギちゃんから100%の善意と分かって良かったです。立場の差からあまりの豪華さは嫌味にもなりかねませんからね。

つまり悪趣味とかじゃなくて純粋にお金に対する認識の違い……!釣りの為に私有プールに魚を放つナギちゃんなら納得です。

そして話は進んで表題である「謝罪」のシーン。謝罪の直前にナギちゃんはこう語ります。

私は「個人として来た」などと、都合のいい言い訳はしません。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

ナギちゃんのこういう、誠実さとか行動に対する信念みたいな所カッコよくて好きだなって。

謝罪前に椅子の立ち絵と、椅子から立った立ち絵を活かしているのも良かったです。スクワッドの眼前に立って居住まい正したんだなってわかります。こういう演出工夫好き。

続けて何故そちらが謝るのかと問うアツコに対してこう答えてもいます。

すぐ傍で苦しんでいた方々を……政治的な事情や立場という理由で『私が』軽んじていたのではないかと

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

この自身を内省する姿にもナギサの強さを感じます。眩しいほどに「善い」人間の姿だ……!

しかしミサキはその言葉にも納得いきません。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

このシーン滅茶苦茶好きなんですよね。サオリがミサキをたしなめて素直に引き下がる様子に二人の関係が見て取れて。

でもここに私はもう一つ関係性を感じていて。

それはサオリとミカの関係性です。

だってサオリはナギちゃんのこの「理屈に合わない善性」を一回見たことがあるはずだから。

「アリウスと和解したい」なんてやってきたミカと直接会ったサオリだけは唯一経験済みなんです。そしてそれをマダムに利用されて踏みにじることになった。

だからここでサオリが「言葉を慎め」っていさめるの、なんか好きなんですよね。

話を戻しますと、ミサキに対してナギちゃんは「『誰もが納得できる』返答とそうでないもの両方を持っている」と語ります。

アツコが「誰もが納得できる返答から聞かせて欲しい」と告げると、

「アリウス分校の残存生徒」というトリニティの火種。
その懸念を、私一人の謝罪で消すことが叶うのならば――
それは非情にコストパフォーマンスの良い政治的手段だと思いませんか?

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

ととても合理的な答えを返します。

さらに続く「そうでないもの」はエデン条約について調べ、考えて「トリニティの校庭を見下ろしながら『そうすべきだ』と思った」という感情に寄ったものでした。

ここで「合理的な損得勘定」と「ただの個人的な感情」両方を示したのがまた良くて。

前者は確かに誰もが納得できる理屈の通った答えです。だって感情は理屈では表せませんからね。

「信じる」って難しい事だと思います。

納得のいく筋道の立った動機とは結局「損得」、つまり+-で表せる計算式に似た何かでしかありません。

一方感情は+-じゃ表せません。その人が積み上げてきた価値観や経験が形成した「個人」から生まれるものだからです。

理屈はホワイトボックスで、感情はブラックボックス。だからこそ人は理屈を信じるし、信じてしまう。それが「真の正解」だと思ってしまいやすい。

それが分かっていてもあえてナギちゃんは前者も語った。語らない事だって出来たのに。

その開示も含めて交渉術と言われたら否定はできません。

でも私はそれよりも、ナギサの誠実さや真摯さのようなものを感じました。いい子だな、好きだなって素直に思えたのです。

この後の「ピンク色のお姫様が言いそうな話だね」「はい……。ようやく、彼女の気持ちが少しだけ分かってきたのかもしれません」ってやりとりも大好き。

そしてこの後もまたよくてぇ!(あとちょっとだけ!!)

ナギサの謝罪を受けて、「じゃあ、次は私の番だね」とアツコが前に出るわけです。

かつてロイヤルブラッドと呼ばれた者として。
あるいは……あなたと同じ生徒会長と言う立場に――
アリウス分校で、最も近かったかもしれない者として。
私たちが起こしたすべてのテロ行為を、謝罪します。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

ここまでナギちゃんの良さを語りまくってきましたが、ここで謝罪を返すアツコもめちゃくちゃいいんですよね!

これまでのやりとりでナギちゃんが高潔な精神の持ち主と感じてきたからこそ、ここで対等に謝罪を返すアツコにも同じ品格のようなものを感じたのかもしれません。

これでスクワッドとナギサは対等に話せるようになったのかなって思います。

お互いの罪の意識の清算ではないですが、互いに負い目を感じながら会話することはなくなるんじゃないかなって。

最後ちょっと駆け足になっちゃいますがあと2点だけナギちゃんポイント(?)語りますね。いいよ!ありがとう!

謝罪には――責任が伴います。責任は往々にして『行動』で示さなければならないもの。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

この言葉もカッコいいなぁって思いました。

はたして現実でこれを言える人が何人いるんでしょう。実践できる人が何人いるんでしょう?

物語だとしても、人々が望む「上に立つ者」の姿があるなぁと思わずにはいられません。

優しさや親切の裏に、『私はあなたより優位にある』という意識が潜んでいないか――

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

自分の内面やバイアスにこそ一番の疑いの目を向けられるナギちゃんの強さよ。

かつて補習授業部に向けていた疑心の目を今は自分自身に向けている。自分ではない誰かのために。

どこまで「善く生きる人」「理想的な指導者」を体現するつもりなんだ桐藤ナギサ。

その姿はまるでソクラテス。私も「桐藤ナギサの弁明」を二次創作すべきなのかもしれない。あかんそれだとナギちゃん毒盃飲み干すことになる。

ともあれ、最後に「アリウスの皆さんにも、堂々とこの社会の一員であってほしいと願っています」と締めくくります。

「そうかもしれない」と思えるナギサなら信じられると告げるアツコ。「そうでしょ?」と振られて否定できないミサキ。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章5話「謝罪」 より

シリアス会話の後にヒヨリ節ズルない?空気清浄機か何か?

そしてサオリは「地べたを這いずり回って生きていると、見えてくるものもある」と告げます。

アツコは「ちょっと減点」と言いましたが私は好きな台詞でした。

口だけ綺麗な言葉で飾って、都合よく使おうとする人間。

心からこちらを思って提案してくれる人間。

その違いという事なのかと。サオリにとってナギサは後者に映ったという事が嬉しいのです。

ちょっとナギちゃん名言集みたいになってしまいましたが、

サオリは自身の経験から時に仲間をいさめ、最後にはカッコよくも面白く締めてくれました。

ミサキは抱いて当然の疑問を持って、恐らく「また騙されないように」と仲間の為に憎まれようともそれを口にしました。

アツコはナギサの誠実さ、善さに答えるように応対し、品をもって謝罪を返しました。

ヒヨリは空気清浄機(いい意味で)。

ナギサの良さに呼応するじゃないですけど、決して引き立て役にはならず、どちらの良さも引き出されていたのが私が第5話「謝罪」が好きな理由なのかもしれません。

この「謝罪」というタイトルが相互の意味を含んでいたように、どちらの視点で見ても、良かったなぁと思うことが出来たのです。

スクワッド

とはいえもちろんそれ以外のシーンでスクワッドについて語りたい部分もあるのでこっちで語ります!

「スクワッドの皆さんのことも……お願い、出来ますか?」

の意味も読み進めていくうちに分かってきました。スクワッドが持つ今の幸せは「社会人として」のものなんだって。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章4話「誰がための学び」 より

この台詞が特にその事を表していると思います。これに気づかせてくれたの嬉しかったですね。

「学生としての本分」はなるほど、「お願いできますか?」に納得です。そういう意味ではこれもまた「良い裏切り」でした。

あと今回スクワッドはいい意味でギャグ堕ちしているなーとも。

ミサキの「私はもう、出来事にいちいち意味を見出すのはやめたの」に後方腕組み保護者面のサッちゃんや、「リーダーお金ないもんね」「言われると辛いな……」みたいな部分のお話です。

これまでの突発的な状況やバイオレンスさに寄ったギャグじゃなくて、

スクワッドという家族の自然な流れの中でのおふざけみたいに感じたのがよかったのかも。

なんか「落ち着いた」空気を感じたというか。

普通が普通じゃない世界から、普通の世界で普通に笑えるようになったんだなって感じました。

そしてだからこそ、今のアリウス生たちとの落差が強調されているようにも思えます。

サオリがかつてアズサを思い浮かべながら宙に放った「私たちはまだ『ここ』にいるのに……」という言葉。今は言われる側なのかもしれません。

サオリ

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章10話「傷と痕跡」 より

いえ、あの……。私が知らないだけかもですけどこの通常衣装でこの笑顔って今までありました?

私の記憶の中だといつも辛そうな顔でたまにギャグ堕ち驚愕顔見せるくらいで、あまりに見慣れないこの笑顔に一瞬フリーズしまったんですよね。

まさかこの衣装でこんな満面の笑みが見られるなんて……。

でも奪うために与えるのやめない?ここから銃弾の跡なぞって慟哭は何かしらの条約に抵触する破壊力だったよ?

前を向くために過去と向き合おうとするサオリの強さと、それでもあまりに重すぎた罪の意識。それを包み込む先生の優しさが救いでした。

色々言葉や想像を重ねることは出来るのでしょうが、このシーンについては何を付け足しても野暮になってしまいそうなのでやめておきますね。

多分言葉に詰まってただ無言で読んでしまった私の状態が全てを表していると思います。

ちょっと前後してしまいますがしくじりサオリ先生も好き。

【2025/09/23追記】

もしやと思ってサオリ愛用品モモトーク読んだら既に出てきていたんですねこの笑顔……!

しかも「気にしてるのは知ってるよ」「でも気にしないで遊びに来て欲しいな」の流れ。

という事は愛用品既読先生はこの笑顔にその文脈あるの知ったうえでこの展開読んだのん……?

うわー!それ破壊力に深み増してそうでズルいー!!(自業自得)

でも初笑顔にフリーズしてからの落差も良かったのは事実……!ここは未所持でもばっちり刺さるライターさんの腕に乾杯いうことでひとつ。

ミサキ

仲間を想ってかリアリスト故かちゃんと口に出すべきことは口に出す様子はもう「謝罪」で語ったのでそれ以外の部分を。

水着ミサキもでしたが、特に最近感じるのは「サオリの事大好きなんだな」って事です。通常の愛用品もだけど水着家具モーションは反則。

今回もサオリにたしなめられるとスッと引き下がる所や、「サッちゃんの話をするとミサキが凄く難しい顔をするんだよ」「一番サッちゃんの話をしてるのも、ミサキなんだけどね」とその様子の描写はあちこちに。

それでふと思ったんです。

「エデン条約編の橋から飛び降りようとしてるシーン、なんであの時飛び降りるのを止めたんだろう」と。

サオリが言ったから?飛び降りてもサオリが助けに飛び込んで苦しいだけで終わるから?

なんかどっちもしっくりこなかったのです。だからもしかしたら、

サオリが来た時点でもう自分はこの世から消えられない、それなのにこの茶番を続けることは

ただ「サオリの気を引きたいがための行為」になってしまう。

ただのかまってちゃんで、大切な人の気を引きたい甘えん坊になってしまう。

そんな自分を見せるのが恥ずかしくて、嫌だったのかなって。私のミサキ像はそんな子です。

先生シーンでの

でも、そういうタイプって数字と統計で人をみようとしたり――
他人の気持ちを理解できなくて、余計な騒ぎを起こすこともあるけどね……。

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章9話「授業の時間」 より

も印象的。ナギサに理屈を求める姿が思い出されますが、やはり自分の事なのでしょうか。

アツコ

「謝罪」でも書きましたが、ナギサと対等に話し合う視野の広さと器のデカさが印象的でした。

この子一年生ですからね!?アリウス最年少よ!?

三年生になってアリウスの生徒会長になったアツコ見てみたいなーと思わせてくれる風格が確かにありました。

多分ブルアカ本編では決してみられないでしょうけど、その光景想像するとちょっと楽しいです。いい学園になっているんでしょうね。

その一方で「落ち着いてミサキ。これは私たちが受け止めるべきことだよ」と品格溢れる一言の後

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章9話「授業の時間」 より

胸へのダブルタップからヘッドショット。FPSならキルムービー集作れる。

夏イベで見せた即オチ2コマバイオレンスギャグを完全に物にしています。ぷすーとした表情で言い放つ「言い方がムカついちゃって」今でも好き。

生徒会長と言うより覇王の風格かもしれません。ロイヤルブラッドってそういう?

ナギちゃんが古代ギリシャ哲学的な善を敷く政治家だとしたら、

アツコは品と暴を併せ持った覇王的な王権政治かなーと思います。

ヒヨリ

アリウススクワッドのいやし(い)担当。

「んふ~!」と料理堪能しきった後に

「あ、あの……少しだけ持って帰ったりとか……できますか?」

ってアツコに小声で相談してるのとか、らしさ全開で滅茶苦茶好きです。

「せめてこの紅茶だけは飲み干してから……!(グビー!グビー!)」と凄い勢いで流し込んでいる姿も好き。

何というか、ヒヨリって後悔を残さずにこの世を去れそうな気がします。

ちょっと話が飛びますが、「贖罪」で先生までも疑われた時真っ先に

「わ、私は信じます……先生、ですから……」

と言ってくれたのはヒヨリでした。

ヒヨリのチョコストーリー好きなので、一番に声を上げてくれたのがヒヨリなのちょっと納得できつつ嬉しかったです。

チョコストーリーでも夏イベの射的でもそうですが、ヒヨリの根っこってかなり献身的で、かつ即物的じゃないんですよね。

自分が大切に集めたものよりも、より大切な「気持ち」を大事に出来る子と言うか。

だからせめてこの紅茶だけはと一気に飲み干す太く生きる姿からも、

それでありながら自分の物欲より誰かへの気持ちを大切に出来るところからも、

全部ひっくるめて後悔を残さずに人生を終えられそうだなって思うのです。

なお空気清浄機とか言ってますけど、私ヒヨリは推し上位に入るくらい好きです。チョコストーリーで完全にやられた先生です。まだ読んでない人は是非読みましょう。沼りましょう。

梯スバル

かけはしスバル。役割背負ってそうなお名前してらっしゃる!!

第一印象は「やさしいまとめ役」でした。

でも読み進めると所々「スバルちゃん圧強っ!?」となる場面がちらほら。笑顔の裏に黒い感情飼ってるタイプの子か……!?

せがまれてハーモニカを吹くシーンでの「では演奏しますね」がちょっと良くて印象に残っています。

「では吹きますね」じゃない所にこだわりや自負のようなものを感じて、手慰みとかではなくて心から好きで音を奏でているんだなって。

そして根っこの部分のお話。

アリウスの子達を大切に思う一方で、憎しみをずっと抱き続けている子だと思います。そしてこのアリウス編の体現者だなとも。

スクワッドはその憎しみについて「いつからだ?」と問われ、「いつの間にか植え付けられた、私たちのものじゃないはずの憎しみから」と逃げる事を選びました。そしてその果てに先生と行動を共にし、マダムをも打倒します。

一方でスバル達はアズサの言葉を聞いていません、先生に出会っていません、マダムを直接打ち倒してもいません。

ただ突然、元からあった憎悪を巧みに煽り立てるマダムが現れ、そして消えただけです。

その場合、元から存在し、歪曲され、たっぷり肥え太らされた憎悪はどうなるのでしょうか?

それを誰よりも表しているのがスバルなのかな、と私は思います。

レイサとスズミが語る言葉に「楽観主義や夢は、そう思える環境でしか育たない」と内心吐露しつつも、

「そこまで気を配れというのは無理な話です」と理屈では分かっている様子を見せています。それでも

自分達こそが、その地獄の歴史を作った当事者だという事実から――
いつまで目を逸らし続けるのでしょうね?

過ぎ去りし刻のオラトリオ編1章12話「郊外学習(2)」 より

この言葉を吐かずにはいられないのがスバルなのでしょう。

当時ではなく今を生きるスズミ達のようなトリニティ生をも「当事者」とする憎しみは、マダムの残り香なのでしょうか。それともマダムが「ただソレを活用しただけ」と言うように元から持っていたものなのでしょうか。

そのあたりすべて含めて、今後の展開が気になる生徒です。

ぶっちゃけ校外学習直前の「ターゲットを生きたまま依頼人に差し出す話」と「校外学習にアリウスは同席しない」ことから絶対先生売り飛ばされるじゃんって思ってました。この場を借りてごめんなさい。

まとめ|アリウス編の「起」として満足

すみません「謝罪」等語りたい部分について語ったら思いのほか膨大な量に……!

なのでまとめは簡潔に。

アリウスモブちゃんの様子やからこれまでと現状が良く伝わり、スクワッドとナギサ間での清算、スバルの憎しみの行く先等、現状描写と問題提起を楽しみながら読める1~12話でした。

ちょっと演出過剰だったりわざとらしさが隠しきれてない描写だったりもありましたが、今回この量書いてしまったように光る部分も多かったです。全体的には+が勝っていたかなと。

2章の更新は10月8日(水)11:00(JST)。タイトルは「あの刻に告げし決別」ここからどう物語が動いていくのかとても楽しみです。

© NEXON Games Co., Ltd. & Yostar, Inc.
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